「朝、起き上がろうとしたら腰に激痛が走った」
「荷物を持ち上げた瞬間、背中がズキッと痛くなった」
「振り向いただけなのに、背中に強い痛みが出た」
このような突然の痛みを経験したことはありませんか?
一般的に、腰に突然強い痛みが出ると「ギックリ腰」と呼ばれることがあります。
また、背中や肩甲骨周辺に突然痛みが出た場合には、「ギックリ背中」と表現されることもあります。
どちらも突然起こるため、
「重い物を持ったから痛めた」
「変な姿勢をしたから痛くなった」
と思われがちです。
しかし、実際には痛みが出た瞬間の動作だけが原因とは限りません。
日頃からの姿勢や身体の使い方、背骨の動き、肩甲骨や骨盤、股関節の状態などが積み重なり、ある動作をきっかけとして痛みが表面化することがあります。
今回は、ギックリ腰やギックリ背中と背骨の関係について、整体の視点からわかりやすく解説します。
1.ギックリ腰とギックリ背中とは?
まず、ギックリ腰とギックリ背中について考えてみましょう。
ギックリ腰は、腰に急激な痛みが出る状態を一般的に表した言葉です。
医学的には一つの病名を指す言葉ではなく、急に発生した腰痛をまとめて「ギックリ腰」と呼ぶことが多いです。
一方、ギックリ背中も医学的な正式病名ではありません。
背中や肩甲骨周辺に突然痛みが出た時に、一般的な呼び方として使われています。
どちらにも共通しているのは、
「ある瞬間に突然痛くなったように感じる」
ということです。
例えば、
・朝、布団から起き上がった時
・洗面所で前かがみになった時
・荷物を持ち上げた時
・椅子から立ち上がった時
・身体をひねった時
・くしゃみをした時
など、日常生活の何気ない動作で痛みが起こることがあります。
ただし、痛みが出た動作だけを見てしまうと、本当の身体の状態を見落としてしまうことがあります。
2.「痛い場所=原因」とは限りません
ギックリ腰になった場合、多くの方は腰に原因があると考えます。
ギックリ背中なら、背中に原因があると思うでしょう。
もちろん、痛みが出ている部分に負担がかかっている可能性はあります。
しかし、身体はそれぞれの部分が独立して動いているわけではありません。
背骨を中心として、首、背中、腰、骨盤、肩甲骨、股関節などが連動しています。
例えば、背中の動きが悪くなっているとします。
本来、背中で行うべき動きを腰が補わなければならない状態になることがあります。
すると腰への負担が少しずつ増えていきます。
その状態で、急に身体をひねったり、重い物を持ったりすると、腰に大きな負担がかかります。
結果として、
「その瞬間にギックリ腰になった」
と感じることがあります。
つまり、痛みが出たきっかけと、そこに至るまでの身体の状態は別に考える必要があります。
これはギックリ背中でも同じです。
背中が痛いから背中だけを見るのではなく、身体全体の動きを確認することが重要です。
3.背骨の動きが悪くなると身体に何が起こる?
背骨は、一本の大きな骨ではありません。
首から背中、腰まで、多くの椎骨が連なってできています。
そして、それぞれの部分が少しずつ動くことで、身体を曲げたり、伸ばしたり、ひねったりすることができます。
例えば、身体を後ろに反らす動作を考えてみましょう。
腰だけを大きく反らしているわけではありません。
背中や首、骨盤なども連動して動いています。
ところが、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、運動不足などによって、背中や股関節などの動きが少なくなることがあります。
すると、動きにくい部分を別の場所が補うことになります。
このような状態が続くと、一部の筋肉や関節に負担が集中することがあります。
特に腰は、身体の中心に位置しています。
そのため、上半身と下半身の動きを受け止める役割も担っています。
背骨全体がスムーズに動かない状態では、腰に負担が集中しやすくなることがあります。
4.ギックリ背中では肩甲骨も重要です
ギックリ背中の場合、特に確認したいのが肩甲骨です。
肩甲骨は背中にある大きな骨ですが、肋骨に直接固定されているわけではありません。
腕を上げたり、後ろに引いたりする時には、肩甲骨も一緒に動きます。
ところが、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、肩甲骨周辺の筋肉が硬くなり、肩甲骨が動きにくくなることがあります。
肩甲骨が動きにくくなると、背中や胸郭の動きにも影響する場合があります。
例えば、身体をひねる動作をした時に、本来なら背中全体で分散されるはずの動きが、一部に集中してしまうことがあります。
その結果、背中に強い負担を感じることがあります。
「背中を痛めたから背中を揉めばいい」
とは限りません。
肩甲骨がどのように動いているのか。
背骨がどの方向に動きにくいのか。
首や肩に余計な力が入っていないか。
こうした点を確認することが大切です。
5.骨盤や股関節もギックリ腰に関係します
ギックリ腰の場合、腰だけでなく骨盤や股関節の動きも確認することが重要です。
股関節は、歩く、しゃがむ、立ち上がるなど、日常生活のさまざまな動作に関係しています。
例えば、股関節が硬くなり、十分に動かせなくなっているとします。
すると、身体を前に倒したり、立ち上がったりする時に、腰が必要以上に動いてしまうことがあります。
これが一度や二度なら大きな問題にならなくても、毎日の生活の中で繰り返されれば、腰への負担が蓄積する可能性があります。
また、骨盤の動きが少なくなると、腰や背中がその動きを補うこともあります。
そのため、整体では腰だけを確認するのではなく、
「骨盤はしっかり動いているか」
「股関節は左右で違いがないか」
「背骨は自然に動いているか」
といった全身の状態を確認します。
痛みの原因を考える時には、身体を部分的に見るのではなく、全体のつながりから考えることが大切です。
6.ギックリ腰・ギックリ背中を繰り返さないために
ギックリ腰やギックリ背中を一度経験すると、
「またあの痛みが出たらどうしよう」
と不安になる方も多いでしょう。
大切なのは、痛みが出た時だけ身体を見るのではなく、普段から身体を動かしやすい状態にしておくことです。
特に意識したいのが、
・長時間同じ姿勢を続けない
・適度に身体を動かす
・無理な姿勢で物を持たない
・睡眠や休養を十分にとる
・自分の身体の動き方を確認する
といった生活習慣です。
また、過去にギックリ腰やギックリ背中を繰り返している場合には、痛みが出た場所だけでなく、身体全体の動きを確認してみることをおすすめします。
整体では、腰や背中だけを見るのではなく、背骨、肩甲骨、骨盤、股関節などの動きを確認しながら、身体のバランスを整えていきます。
「腰が痛いから腰だけ」
「背中が痛いから背中だけ」
と考えるのではなく、
「なぜ、そこに負担が集中したのか?」
という視点を持つことが大切です。
ただし、突然の強い痛みに加えて、足の力が入りにくい、強いしびれがある、排尿や排便に異常がある、発熱を伴うなどの場合は、整体よりも先に医療機関を受診してください。
ギックリ腰・ギックリ背中でお悩みなら
ギックリ腰やギックリ背中は、突然痛みが出るため、とても不安になるものです。
しかし、痛みが出た瞬間の動作だけが原因とは限りません。
日頃の姿勢や身体の使い方。
背骨や肩甲骨の動き。
骨盤や股関節の状態。
こうしたさまざまな要素が関係している可能性があります。
整体では、痛みのある場所だけに注目するのではなく、身体全体の動きを確認することが大切です。
「ギックリ腰を何度も繰り返している」
「ギックリ背中になりやすい」
「腰や背中の痛みがなかなか改善しない」
「姿勢や身体の動きも見てほしい」
このようなお悩みがある方は、一度ご自身の身体の状態を見直してみてはいかがでしょうか。
痛みの場所だけを見るのではなく、身体全体のバランスを見る。
それが、ギックリ腰やギックリ背中を考えるうえで大切なポイントです。
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