高血圧と聞くと、多くの方が「すぐに薬を飲まないといけない」「怖い病気」といった不安を抱かれるかもしれません。
たしかに、高血圧が長く続くことで脳や心臓、腎臓などに影響を及ぼすこともありますが、
そもそも血圧とは何のためにあるのか?
なぜ加齢とともに上がっていくのか?
こういった「体の知恵」を知っておくことで、不安ではなく“理解”に変わっていくのではないでしょうか。
今回は、整体師の立場から「血圧と上手に付き合うための自然な考え方」について、
薬や診断に依存しないセルフケアの視点を交えながらお伝えします。
■ 血圧が上がるのは、身体の調整機能が働いている証拠
血圧とは、心臓が血液を全身に送り出すときにかかる圧力のことです。
とくに私たちの体の中で一番遠くにある足先や手先まで血液を運ぶには、ある程度の圧が必要です。
たとえば、冷たい季節。
体温を守るために末端の血管が収縮すると、心臓はより強く血液を押し出して血流を保とうとします。
このとき血圧は一時的に高くなりますが、これは**異常ではなく“必要な反応”**です。
つまり、血圧は私たちの命を守るために、体が自ら調整してくれている働きなのです。
■ 高齢になると血圧が高くなるのは自然なこと
年齢とともに、血管はだんだんと弾力を失い、硬くなっていきます。
これは体の老化の一環としてごく自然なことです。
ゴムホースを思い浮かべてみてください。
柔らかいホースには少しの水圧で水が通りますが、硬くなったホースでは同じ量の水を送るのに圧力が必要になります。
体内でも同じことが起きており、ある程度の血圧上昇は、身体が自らの機能を維持するための知恵とも言えるのです。
「若い頃の正常値に戻さなければ」と焦る必要はありません。
むしろ大切なのは、血圧が変化する背景を理解し、自分に合った生活習慣を整えることです。
■ 減塩よりも“良い塩”を適量とる
「高血圧=減塩」という考え方が一般的になっていますが、実はこの一面だけを強調しすぎることには注意が必要です。
人の体は、ナトリウムやマグネシウム、カリウムなど多くのミネラルでバランスを取っています。
とくに天然の塩には、体の神経伝達や筋肉の収縮に必要な微量ミネラルが多く含まれています。
塩をまったく取らない、あるいは加工された“精製塩”ばかりに偏ると、
逆に体液のバランスが崩れ、血圧が不安定になることもあるのです。
おすすめなのは、「海水塩」「岩塩」「天日干しの自然塩」など、
ミネラルバランスの取れた塩を料理に取り入れることです。
■ 筋肉を鍛えると血圧は安定しやすくなる
筋肉には、血液を循環させるための“第二のポンプ”の役割があります。
とくに下半身の大きな筋肉(太ももやふくらはぎ)を使うことで、心臓から送り出された血液をスムーズに戻すサポートになります。
- ウォーキング:1日20〜30分、やや早歩きで姿勢を正して歩く
- スクワット:椅子に座るような軽めのスクワットを5〜10回、無理なく
これらの運動を日常に取り入れることで、
心臓にかかる負担が減り、血圧の安定につながることが多いのです。
■ 柔軟な筋肉で「通り道」を広げる
整体の施術でもよく感じるのですが、肩や背中、太ももなどがカチカチに硬くなっている方は、
血流の流れが悪くなりがちです。
そこで大切なのが、筋肉の柔軟性。
筋肉が柔らかくなると、血管の通り道も広がり、自然と血圧の調整がしやすくなります。
おすすめのケア方法:
- 朝晩の軽いストレッチ(肩回し、首回し、ふくらはぎ伸ばしなど)
- 自分でできる優しいマッサージ
- 38〜40℃の湯船でゆっくり10分以上温まる
とくに湯船につかることで副交感神経が優位になり、
自律神経のバランスが整って血圧も自然と落ち着きやすくなる傾向があります。
■ 毎日の記録が「体のリズム」を教えてくれる
血圧は一日の中でも朝・昼・夜で変動しますし、
気温・湿度・睡眠不足・ストレスでもすぐに上下します。
ですから、1回の測定結果だけで一喜一憂せず、
毎日同じ時刻・同じ条件で測定し、自分の平均傾向を知ることが大切です。
おすすめは「朝起きてトイレに行ったあと、朝食前」。
記録をノートやアプリに残し、少しずつ自分の“平常値”を見極めていきましょう。
■ 整体師としてできること
からだ快福クラブ北九州では、施術を通して背骨や骨盤のゆがみを整え、
神経の流れや血液循環がスムーズになるようお手伝いをしています。
血圧は単なる数値ではなく、その人の体がどのように環境に対応しているかを教えてくれる“バロメーター”です。
無理に押さえつけるのではなく、
「なぜ上がったのか」「どうすれば落ち着くのか」――
このような視点から一緒に考え、整えていくことが、
本来あるべき自然な健康づくりだと考えています。
■ 最後に
この記事はあくまで整体師としての体験や知識をもとにまとめたものであり、
特定の病気の診断や治療をすすめるものではありません。
服薬中の方や体調に不安のある方は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
自然に、無理なく、自分の身体に耳を傾けながら――
そんな血圧との“ちょうどよい付き合い方”を見つけていただければ幸いです。
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