長座位ができない子供たちを救いたい

長座位(脚をまっすぐに伸ばして座る姿勢)は、子供の身体の柔軟性や筋力の発達において重要な要素です。しかし、最近では長座位をうまく取れない子供が増えています。これは、姿勢の悪化や筋力不足、柔軟性の欠如が原因となっています。今回は、長座位ができない子供たちの原因と具体的な対策、そしてその特徴について詳しく説明し、彼らを救うための方法を提案します。

長座位ができない原因

1. 普段の座り方の影響

最も大きな原因の一つは、子供が普段から正しい姿勢で座っていないことです。特に、ソファーやビーズクッションなど柔らかい椅子に深く沈み込んで座ることで、骨盤が後ろに倒れる「骨盤後傾」の姿勢になりやすくなります。こうなると、坐骨でしっかりと座ることができず、背中が丸まってしまいます。さらに、タブレットやスマホを長時間操作することが、姿勢の悪化に拍車をかけます。これにより、筋肉が硬直し、骨盤や背骨の歪みが定着してしまうのです。

具体例: 柔らかいソファーに座り、長時間スマホを操作すると、骨盤が後傾して背中が丸まり、首が前に突き出た姿勢が続きます。この習慣が続くと、正しい長座位を取るのが難しくなり、全身のバランスが崩れます。

2. 筋力不足

長座位を維持するためには、体幹や腹筋、背筋、大腿の筋力が必要です。しかし、日常的に運動が不足している場合、これらの筋力が十分に発達せず、長座位を取ることが困難になります。特に体幹が弱い子供は、骨盤を立てることができず、背中がすぐに丸まってしまいます。

具体例: 運動不足の子供は、腹筋や背筋が弱く、正しい座り方ができないため、すぐに背中が丸まってしまい、長座位を維持できません。

3. 柔軟性の欠如

太ももの裏側にあるハムストリングスや腰周りの筋肉が硬くなると、長座位が難しくなります。これらの筋肉が硬いと、骨盤を前に傾けることができず、背中が丸まった姿勢になります。特に、座りっぱなしの生活が続くと、筋肉が硬直しやすくなります。

具体例: ハムストリングスが硬い子供は、脚を伸ばして座ろうとすると、骨盤が後ろに引っ張られ、背中が丸まってしまいます。結果として、正しい長座位を取ることが困難になります。

長座位ができない子供の特徴

長座位ができない子供には、以下のような共通する特徴が見られます。

  • 姿勢が悪い、猫背である: 骨盤が後傾しているため、背中が丸まりやすく、猫背の姿勢になります。椅子に座っても背筋を伸ばすことができず、全体的に姿勢が悪くなりがちです。
  • 呼吸が浅い: 猫背の姿勢では胸郭が圧迫され、深い呼吸ができなくなります。そのため、呼吸が浅くなり、疲れやすくなる傾向があります。
  • 目覚めが悪く、頭痛や肩こりを訴える: 姿勢の悪さが寝ている間にも影響し、筋肉の緊張が続くため、朝の目覚めが悪く、頭痛や肩こりが起こりやすくなります。
  • 下腹が出ている、肥満気味である: 骨盤が後傾することで下腹が突き出た姿勢になりやすく、運動不足から肥満傾向にある子供も見られます。これがさらなる姿勢の悪化につながります。
  • 集中力がない: 姿勢が悪いことで身体が疲れやすく、集中力を長時間維持するのが難しくなります。特に学習や作業をしている時、すぐに疲れてしまいます。
  • 腰痛を訴えることがある: 猫背や骨盤の後傾によって腰に負担がかかり、腰痛を感じることがあります。長時間座っていることで、腰への負担が増し、痛みが生じます。

対策

1. 正しい座り方の習慣を身につける

まずは、子供に正しい座り方を教えることが大切です。椅子に座る際には、お尻をしっかりと引いて坐骨で座ることを意識させましょう。これにより骨盤が自然に立ち、背筋がまっすぐになります。また、柔らかいソファーやビーズクッションで長時間座ることは避け、適度に硬い椅子や床で座るようにしましょう。

具体的なアドバイス: 座る時は、背もたれに寄りかからず、自分の筋力で背骨を支えるようにしましょう。また、タブレットやスマホの使用時間を制限し、頻繁に体を動かすことを心がけることが大切です。

2. 体幹と脚の筋力トレーニング

体幹を強化するためのエクササイズを日常に取り入れることが効果的です。例えば、仰向けで足を上下に動かす運動や、四つん這いでバランスを取る体幹トレーニングなどを行うことで、腹筋や背筋を鍛え、骨盤の安定をサポートします。

具体的なエクササイズ:

  • 仰向けの足上げ運動: 仰向けに寝て、足を交互に上下に動かすことで、腹筋と太ももの筋肉を鍛えます。
  • 四つん這いでの体幹トレーニング: 四つん這いになり、片手と反対側の足を同時に上げ、体幹のバランスを取ります。

3. 柔軟性を高めるストレッチ

ハムストリングスや腰回りの柔軟性を高めるためのストレッチを取り入れることが大切です。特にお風呂上がりなど、体が温まっている時に行うと効果的です。ストレッチで筋肉を柔らかくし、長座位を取りやすくします。

具体的なストレッチ:

  • ハムストリングスのストレッチ: 床に座って片方の足を伸ばし、体を前に倒して足のつま先に手を伸ばします。
  • 腰回りのストレッチ: 座った状態で片方の膝を立て、上半身を反対側にひねることで腰の柔軟性を高めます。

まとめ

長座位ができない原因は、普段の座り方、筋力不足、柔軟性の欠如などが挙げられます。これらの問題は、子供の成長に大きな影響を与えるため、早期に対策を講じることが重要です。正しい座り方を習慣にし、体幹を強化するトレーニングやストレッチを日常生活に取り入れることで、子供たちの姿勢や身体のバランスが改善され、健康的な成長をサポートすることができます。

子供たちが健やかに成長し、長座位を快適に取れるよう、私たち大人がしっかりとサポートしていくことが大切です。

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