陰陽五行 申の特徴

金のエネルギー

「申(さる)」は、十二支の一つであり、陰陽五行思想においては金(きん)に属します。五行の中で金は、切断や決断、固さ、収縮、清潔などの特性を持ちます。金のエネルギーは秋に最も強くなり、収穫や整理整頓の時期を象徴しています。このため、申の特性は強い意志と決断力、組織や構造を大切にする性質があります。また、金は肺や大腸と関連しており、呼吸器系や排泄器官の健康を意識することが重要です。申のカラーは「白」であり、清潔さや純粋さを象徴し、金の特性を視覚的に表現しています。

季節と旧暦

「申」は秋の始まりを象徴します。旧暦の7月、すなわち「申月」は、立秋から処暑までの期間を指します。具体的には現代の暦で8月7日頃から9月7日頃までの期間に該当します。この時期は自然界が成熟し、収穫の準備が整う時期であり、申のエネルギーは実りや収穫、次の段階への準備を象徴します。立秋は暑さが徐々に和らぎ、涼しい風が吹き始める季節であり、農作物の収穫準備が進む重要な時期です。

時間と方角

「申の刻」は午後3時から午後5時までの時間帯を指します。この時間帯は太陽が西に傾き、日が沈み始める夕方の始まりの時間帯です。この時間は、日中の活動が一段落し、次の行動に向けて準備を整えるための重要な時間帯です。陰陽のバランスが取れ、エネルギーの転換点となる時間です。

「申」は西南西の方角を象徴します。西南西は日没の方向であり、一日の終わりを示す方角です。この方角は、物事の終わりと新たな始まりの境目を象徴し、収束と次のステップへの移行を示します。自然界の変化や人間の活動においても、この方角は重要な意味を持ちます。

まとめ

「申(さる)」は、陰陽五行において金に属し、強い意志や決断力、収穫や整理のエネルギーを持ちます。旧暦の7月(8月の初旬から9月の初旬まで)や午後3時から5時までの時間帯、西南西の方角など、申に関連する要素は、終わりと始まり、収束と準備のエネルギーを示しています。申のカラーである「白」は、清潔さや純粋さを象徴し、金の特性とも一致しています。

このように、「申」は自然界や人間の生活において重要な節目や転換点を象徴する存在として、多くの意味を持っています。収穫の準備や実り、組織や構造の維持、そして新たな始まりに向けた準備が重要なテーマとなる時期であり、申のエネルギーはこれらの活動を支える力となります。