『林さん、病気に感謝しなさい』
 
下関彦島の布団屋のお婆ちゃんに、30数年前に言われた言葉です。初対面の時に言われました。病気の苦しみや恐怖から何とか逃れたいという思いしかない私には、噛み砕くことのできない言葉でした。
 
病気をしたからこそ、身体の事や食べ物のこと、健康のことを勉強してきました。
 
原因不明の難病を繰り返したからこそ、耐えることや強く生きることができるようになりました。
 
今、前向きに生きていられるのは、間違いなく病気のお陰です。
 
今、目の前にある困難、苦難、災難は、もしかしたら将来の宝物になるかもしれないと、捉えるこことができるようになりました。幸せの種にするも、不幸の始まりにするのも、決めるのは自分自身だと。
 
どれもこれも自分次第。今、起きていることは決して偶然ではないと思っています。きっと何か意味がある。そう意識しながら今日一日を大切に生きたいと思います。
 
毎朝、神社参拝に向かう道中は、歩行拝の時間にしています。ご先祖様や家族、お世話になった人達の顔を思い浮かべ、名前を呼んで「お陰さまでありがとうございます」と唱えながら歩いています。
 
この歩行拝の習慣がある限り、命の恩人である彦島のお婆ちゃんの言葉は忘れることはありません。
 
『林さん、病気に感謝しなさい』