低反発マットレスについて—私が否定する理由

近年、低反発マットレスが多くの人に支持されています。その特徴的な柔らかさが体にフィットし、快適な眠りをサポートするという宣伝を耳にすることも多いかと思います。しかし、私自身はこの「低反発マットレス」に対して慎重な見方をしています。今回は、その理由をお伝えしたいと思います。

1. 身体の自然な動きが制限される

低反発マットレスの最大の問題点は、体が沈み込みすぎることです。寝ている間、体は微細な動きを繰り返し、適切な寝返りを打つことで血行を促進し、体の圧力を分散させます。しかし、低反発マットレスはその柔らかさゆえに、動く際に必要な反発力が足りません。その結果、寝返りが打ちづらくなり、特定の部位に長時間圧力がかかってしまう可能性があります。

一方で、高反発や固めのマットレス、さらには畳にせんべい布団のような適度な硬さがある寝具は、体が沈み込みすぎず、自然な寝返りをサポートします。これにより、全身の血流が改善され、疲労の蓄積が少なくなる効果が期待できます。

2. 姿勢のバランスが崩れる

低反発マットレスは一見、体を包み込むように支えると感じられるかもしれませんが、実際には体のバランスを崩すことがあります。特に、腰や背中に負担がかかりやすい方は注意が必要です。マットレスが柔らかすぎると、腰が沈み込みすぎてしまい、自然な姿勢が保てません。長期的に使用することで、腰痛や肩こりを悪化させるリスクが高まるのです。

高反発や固いマットレスは、しっかりと体全体を支えるため、背骨の自然なカーブを保ちやすく、正しい姿勢で寝ることができます。 これにより、腰痛や肩こりの予防にも繋がります。

3. 温度調整が難しい

低反発マットレスは体温を吸収しやすい特徴があります。特に暑い季節には、体がマットレスに深く沈み込むことで通気性が悪くなり、寝汗をかきやすくなります。適切な体温調整ができないと、寝苦しさを感じやすくなり、快適な睡眠を得るのが難しくなるでしょう。

4. 長期的な耐久性に問題がある

低反発マットレスは、短期間では快適に感じることがあっても、長期間使用するとその形状が劣化しやすい傾向があります。特に、体の重い部分が沈み続けると、マットレスが変形し、元の形に戻らないことがあります。これにより、寝心地が次第に悪化し、さらなる姿勢の悪化を引き起こす可能性があります。

固めの寝具や畳にせんべい布団は、長期間使用しても形状が安定しており、体をしっかりと支え続けるため、耐久性の面でも優れています。

結論

低反発マットレスは一時的な快適さを提供するかもしれませんが、長期的に見ると、身体への影響は決して無視できません。私の整体院では、患者さんにできるだけ体を自然に動かせる環境を整えることが重要だと考えています。そのため、高反発や固めのマットレス、さらには畳にせんべい布団のような硬さのある寝具をおすすめしています。これにより、体をしっかり支え、自然な寝返りを打つことができるため、より良い睡眠環境が整います。

柔らかさだけでなく、体全体のバランスを考慮したマットレス選びを心がけ、快適な眠りと健康な体を手に入れてください。